物流情報局(荷主の皆さまへ)
荷主の皆さまにお取り組みいただきたいこと
いわゆる物流の「2024年問題」として、トラック運転者への時間外労働の上限規制の適用に伴い、何も対策を講じなかった場合には、2024年には14%、2030年には34%の輸送力が不足する可能性があります。こうした輸送力不足に対応していくためには、荷主の方にもご協力をいただきながら、 荷待ち・荷役時間 ︎ を次のように削減していく必要があります。
対策なし | 対策あり(2024年度) | 対策あり(2030年度) | |
---|---|---|---|
荷待ち・荷役の時間 | 年間750時間 | 年間75時間削減 | 年間125時間削減 |
荷待ち・荷役時間を削減することは、トラック運転者の長時間労働の改善にもつながります。また、トラック運転者の長時間労働の改善は、勤務環境の改善にもつながり、物流を担うトラック運転者の人材確保にもつながります。
そのためにも、荷主の皆さまにおかれましては、
「物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者・物流事業者の取組に関するガイドライン 」
︎
をご確認いただき、ガイドラインの事項に取り組んでいただきますようお願いいたします。 併せて、
自主行動計画
︎
の策定もよろしくお願いいたします。
関連リンク
参考
今後施行される法令について
2024年(令和6)年4月26日に、
流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律(改正物流法)
︎
が成立し、同年5月15日に公布されました。
本法の主たる事項については、公布後1年以内に施行するとされており、施行に向けて順次情報を掲載していきます。
主な改正内容
(1)流通業務総合効率化法の改正 ⇒ 荷主・物流事業者に対する規制
- 荷主・物流事業者に対し、物流効率化のために取り組むべき措置について努力義務を課し、当該措置について国が判断基準を策定。
- 上記取組状況について、国が判断基準に基づき指導・助言、調査・公表を実施。
- 上記事業者のうち、一定規模以上のものを特定事業者として指定し、中長期計画の作成や定期報告等を義務付け、中長期計画に基づく取組の実施状況が不十分の場合、勧告・命令を実施。
- さらに、特定事業者のうち荷主には物流統括管理者の選任を義務付け。
※法律の名称を「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律」から「物資の流通の効率化に関する法律」に変更
(2)貨物自動車運送事業法の改正 ⇒トラック事業者の取引に対する規制
- 元請事業者に対し、実運送事業者の名称等を記載した実運送体制管理簿の作成を義務付け。
- 荷主・トラック事業者・利用運送事業者に対し、運送契約の締結等に際して、提供する役務の内容やその対価(附帯業務料、燃料サーチャージ等を含む。)等について記載した書面による交付等を義務付け。
- トラック事業者・利用運送事業者に対し、他の事業者の運送の利用(=下請けに出す行為)の適正化について努力義務を課すとともに、一定規模以上の事業者に対し、当該適正化に関する管理規程の作成、責任者の選任を義務付け。
改正物流法の施行に向けた検討状況
このように、改正物流法は、トラックドライバーの賃上げ原資の確保や物流の生産性向上を図るため、荷待ち・荷役時間の削減や多重下請構造の是正等を進めるため、荷主・物流事業者に対する規制的措置を導入するものです。
このうち、改正物流効率化法の施行に向けては、今後政省令等に定める基本方針や判断基準、特定事業者の指定基準等の具体的な内容などを検討するため、国土交通省・経済産業省・農林水産省の三省の審議会の
合同会議
︎
を立ち上げられ、今秋のとりまとめに向けて議論が進められています。
いわゆる物流の「2024年問題」に対応していくためには、トラック運転者の賃上げの原資となる運賃を適正に収受できる環境の整備が急務です。 国土交通省において、荷待ち・荷役に係る費用、燃料高騰分、下請けに発注する際の手数料等も含めて適正に転嫁できるよう、標準的運賃について見直しが行われ、2024(令和6)年3月に運賃水準を8%引き上げるとともに荷役の対価等を加算した新たな標準的運賃が告示されました。引き続き標準的運賃にご理解とご協力をお願いいたします。
詳しくはこちら(PDF)